ラジオDJのクリス・グレンさんが、中部地域で新しいビジネスに挑戦している人を訪ねます!
農業✕教育で地域発次世代イノベーターを育てる!(2/4)
February 14. 2023(Tue.)
中部地域で未来へ繋がる新しい取り組みを行っている企業や団体をラジオDJのクリス・グレンさんが訪ねるコーナー。今回クリスさんが足を運んだのは、全国で農業ビジネスを通した人材育成「アグリアーツ®」を行っている「グローカルデザインスクール株式会社」の静岡県菊川市にある拠点。2回目となる今回は、「ジュニアビレッジ」の活動内容についてご紹介します。
菊川市ではハーブティーで地域おこし
「ジュニアビレッジ」は現在、菊川市のほかに、静岡県浜松市、神奈川県横浜市・横須賀市、東京都三鷹市、宮崎県高岡町に拠点があり、それぞれの地域課題の解決のため、地域の特産物に合った取り組みを行っています。
その中で、「菊川ジュニアビレッジ」が行っているのは、ハーブの栽培とハーブティーの商品化および販売です。発端は、静岡の名産であるお茶が、新茶は価格がついて売れるが、二番茶以降はなかなか売れないという課題からでした。そこで新しいお茶の楽しみ方を提案してみようと考え、和紅茶とハーブをブレンドしたオリジナルのハーブティーを作ろうという流れになったそうです。
商品名は「本気のハーブティー」。「子どもたちが『本気で菊川のためにやっているから』ということをストレートに伝えようと考えたネーミングです。すごいですよね」と大竹さん。
まずはチーム作りと土作りから始まる
菊川ジュニアビレッジでは、子どもたちはどのような1年を過ごすのでしょうか。
カリキュラムは、学校と同じ4月始まり3月終わりで組まれています。4月にメンバーが集まり、5月にかけてチーム作りを行います。菊川では、週に1回、土曜または日曜に集まり、プロジェクトを進めていきます。
社長、デザイン、アグリテック、セールスという4つの役割があり、それぞれ子どもたちが立候補をして決めていきます。
5月にはハーブの苗を植える作業が始まり、5月下旬から6月上旬にはもう、1回目の収穫があります。収穫は、9月末くらいまで随時行われ、その間に組織の理念構築、商品コンセプトの作成といった話し合いや、土の勉強などの学習に取り組みます。組織の決定や事業プランの作成。定めたプランに基づいた事業計画を立て、何を売るか、どのようにして販路を作るかなどを進めていきます。
売上目標を立て、営業や販売会も実施
9月頃から、どのような商品にするのか、その年のコンセプトや昨年までのパッケージを見ながらデザインを考えたり、何個入りにするのか、価格をどうするのかなどが話し合われます。
11月までにはパッケージなどの注文を済ませて、12月にはティーバッグに詰める作業を行います。商品が完成すると販売会が始まり、1月から3月はお店まわりやイベントなどの営業・販促を行います。売上目標を決めるので、子どもたちは皆真剣です。ここ数年は、コロナ禍でなかなかイベントができなかったそうですが、その分、洋菓子店に出向いて置いてもらうよう商談するなど工夫をこらしてきました。
「やはりビジネスなので、いかに付加価値を付けて、みんなが喜ぶような商品にできるか、しっかり売るところまでやりきれるか、そこまで考えて子どもたちは取り組んでいます」(大竹さん)
本物の会社さながらの取り組み
大人のスタッフのサポートのもと、組織の理念や商品のコンセプト決め、売上目標の設定など、本物の会社が行うような取り組みを子どもたちだけで行っていきます。
年度末は全国を繋いで報告会を実施
そして3月末には、事業報告会があります。年間の売り上げ、経費、利益を公開するとともに、子どもたちはそれぞれ自身にどのような成長があったのかを全国の仲間とオンラインで繋いで発表します。この発表のために1ヶ月半費やす、一番のイベントです。
「生徒たち一人ひとりが発表するわけですね。自分の意見や考えを伝える場があることがまず素晴らしいですよね」(クリスさん)
「お父さんやお母さんが一番驚かれます。自分の子供がこんなに大きな声で自信を持って発表できるんだと(笑)。学校でも積極的になったなどの声も聞かれますよ」(大竹さん)
次回は、ジュニアビレッジの活動を通して、子どもたちがどんな成長を遂げるのかについてお話を伺います。
- グローカルデザインスクール株式会社
- 2018年設立。農業を通じて不確かな未来を生き抜く「アグリアーツ®」の考えを基に地域の次世代イノベーターの育成「ジュニアビレッジ」、企業向け研修「コーポレートビレッジ」、また各ビレッジ事業のスタートアップ支援を行っている。
静岡県牧之原市布引原1076-2(本社)
0548-25-5150(本社)