スパイスが香る
多国籍で美しい部屋
CHAI STAND HOPPER（愛知県豊田市）

二十歳の頃に初めての一人旅でインドとネパールを巡り、スパイス料理の虜に。以来、本格的なカレーやチャイをいただけるカフェを訪ね歩いてきた。ゆえに、ここの“チャイスタンド”の名にも誘われ、郊外の入り組んだ住宅地へ。

手入れされた庭を通って平屋の扉を開けた瞬間、独特の世界観に包まれた。あちこちにドライフラワーが吊るされ、足元にはアフガニスタンで織られた絨毯・ギャッベ。イギリスの伝統的な石積みであるドライストーンウォーリングを背景にノルウェー製の薪ストーブが鎮座し、アメリカやチェコで使われてきた椅子、ウズベキスタンに伝わる手刺繍のクッションなど、店主の審美眼によって様々な国籍のものが集っていた。

窓外の庭を眺めながら、ひよこ豆とムング豆の入ったダルカレーを堪能。インドやパキスタンで主流のパラパラとしたバスマティ米によく合い、添えられたサモサもナッツやレーズン入りで好みだった。注文を受けてからスパイスを挽いて淹れてくれるチャイをはじめ、どのメニューも小窓からテイクアウトできるそう。

ちなみに、店主は隣で鍼灸治療院を営んでいて、「チャイとお灸の温活セット」も密かに人気の様子。午前中にはインドヨガ教室も開催。身体にいい暮らしを体感しながら、旅への想いを馳せられる心地いい隠れ家なのだ。